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映画喫茶 Bande à part バンドアパート

映画家になるまでの記録。映画、読書、喫茶店。

バレンタインデーの時期にそわそわしてしまう男子のこと。同様の理由でサプライズが苦手説

エッセイのこと。

  僕が小中学生の頃、バレンタインデーが近づくとそわそわしてしまって、靴の下駄箱や家の郵便箱を毎時間開けていたものだ。

  当然中には何もない。義理チョコは手渡しで幾つかもらったけれど、僕に思いを寄せている誰か(それは憧れのあの人かもしれない)が、ものすごく力(愛)の入(込も)ったチョコレートを渡してくれるかもしれない。

  そんな夢は毎年砕けていた。

  高校に入ると、最早そんな幻想は抱いていなかった。だって男子校だったもの。むしろいらんわ。

 

 さて、本題のバイト先の話に入る。バイト先は女性のスタッフの方が多いイタリアンレストランなのだが、女性スタッフが常連さんに配るためのチョコレートを焼いていた。

  女性スタッフたちは、きゃっきゃうふふと奥の席で楽しそうにラッピングを進めて、どのお客さんにあげるだの話していた。

  男の僕は1人哀しく、お客さんも少なかったため手すりをただ拭く機械と化していた。

 

 なあ、そのチョコレート、おれにはくれるのかい。そわそわするじゃないか。

 

  楽しく話すのはいいけど、まずおれにそれをくれないか。くれるのか、くれないのか、そわそわするし、そもそも「もらえるかもしれない」なんて自惚れてる自分も恥ずかしい。

それで貰えなかったときは、もっと恥ずかしいだろう。

結局ひとかけらもらえました。

めでたしめでたし。

会社員なんかもっとソワソワしちゃってしょうがないだろう。

 

さて、そういう人は誕生日間際も同様にソワソワしてしまうはずだ。

  誕生日の二日前とかに飲み会に誘われると、もしやこれはおれのためなんじゃないかと勘ぐってしまう。

  そのような自惚れたまま飲み会に臨むのは、なんだか心地よくない。

  自分以外が早く集合してたりするともうまともじゃない。

  いつかいつかと待たなくてはいけない。友人がトイレに立つ度にもうそろそろか、なんて疑心暗鬼になる。

  もしも何もなかったら、なんて考えてしまうと最悪だ。

  こちらがサプライズを仕掛ける時も同じで、僕はサプライズを仕掛けるのも仕掛けられるのも大嫌い。

  祝うなら、彼の顔を見た途端にプレゼントを差し出したい。ケーキを出すならもうファーストドリンクより先に出しておきたい。