遠く 知らない街から 手紙が届くような

ビジネスにも自己啓発にも興味が無い経営者の嘆き

村上春樹の読者は他に何を読む

村上春樹の長編も短編もエッセイもほとんど読んだ。読むものがなくなって軽く絶望を覚えるくらいには僕は村上春樹を読んだ。

その他の作家の作品ももちろん読むが、やはり幻想と現実のちょうど良い居心地の物語とその浮遊感を一貫して描き続ける作家は中々いないのではないかと思う。村上春樹をよく読む読書家は他にどんな作品を読んでいるのだろうか。

ちなみに「村上春樹 好き 似た作家/おすすめ」などと検索すると、「村上春樹から影響を受けた~の作品」「村上チルドレンの~」というような文句で色々な作品が勧められていて辟易としてしまった。

違うんだよ。彼のコピーを読みたいわけじゃないんだよ。なんとなく村上春樹に影響を受けた作家、と謳われると一切の読む気が損なわれてしまう(この気持ちがわかる人も多いはずだ)。

きっとその理由は、僕自身が彼の作品を読んだ後に何か(なんでもいい、ツイッターでもブログでも)を綴り、とんでもなく痛々しい文章が出来上がったことを何度も体験したことがあるからだ。例えば僕はノルウェイの森を定期的に読み返すのだが、どうしてもこれを読み終わった後は何もかもを失って世界から拒絶された主人公のような口調になってしまう(昔付き合っていた年上の彼女にそれを見透かされてずいぶん恥ずかしい気持ちにもなったことである)。

これは僕を例外せずとも多くの人が体験されているのではないかと思う。そして実を言うとこのブログの語り口がほとんどその影響を受けたことを如実に表しているのであるので久々に更新することがとても恥ずかしい。

 

というわけで村上春樹の作品が好きな方はほかにどんな作家を読むのか教えてほしい。

ちなみに僕は小川洋子(『海』)、原田宗典(『優しくって少しばか』)、池澤夏樹(『スティルライフ』)、江國香織(『きらきらひかる』)、宮本輝あたりが好きで、あとはかなり雰囲気は異なるが山田豊子なんかも読む。『不毛地帯』は悲しくて面白くてこの大作を読んでいる月にはしばらく寝付けない日々が続いた。堀江敏幸(『おぱらばん』)も好きだけどちょっと僕には難しい。

あとは僕自身あまり読まないが『さようなら、ギャングたち』の高橋源一郎なんかを読む方も多いのではないだろうか。

 

そのほかだとちょっと調べて気になったのは

・『スローなブギにしてくれ』片岡義男
・『キャピタル』 加藤 秀行
・『ベルカ、吠えないのか?』古川日出男

当たりは読んでみたい。なるべく村上春樹の恋愛小説に染まっていなそうな作品を選んでみた。特に片岡義男さんの作品なんて時系列的に影響を受けたとはいいがたいだろうし。読んだらまた更新する。

 

というわけで4年ぶりくらいにブログを書いてみた。僕も社会に揉まれ少しは現実に近づいているのではないかと思う。