遠く 知らない街から 手紙が届くような

ビジネスにも自己啓発にも興味が無い経営者の嘆き

2018-01-01から1年間の記事一覧

蛍が飛び交う頃きみは

僕は蛍をみたことがない。理由は二つある。まず、単純に蛍をみる機会に巡り合わなかったこと。そして、大学生のうちに一緒に蛍をわざわざ見たいと思える人に巡り合えなかったことだ。 毎年この季節になると、早稲田大学の近くにある椿山荘というホテルが、庭…

江國香織の「あとがき」が素敵すぎる三作品を紹介する

僕は江國香織の小説が好きです。 彼女は恋愛小説の女王と称されることが多々あるため、20歳そこそこの男である僕が彼女の小説が好き、と言うのはちょっとだけ恥ずかしいものがある。 だけど彼女の小説、とても良いんですよね。静かに燃え、夕日が射す様な世…

足の親指と人差し指の関係について

ベランダで煙草を吸いながら、ふと自分の素足をみた。 足の人差し指が、親指よりも長い。それは当たり前のことかもしれないけれど、他の人の足の指の長さなんて気にもかけたことがなかったので、改めてまじまじと見るとこの1センチ弱の長さが何故だか誇らし…

僕も、父親よりスーツを着てる奴らの方が偉いと思っていた。

西川美和の『永い言い訳』を観た。二度目だ。 本作は見事な二項対立を描いている。 頭は良くないが思いやりに溢れ直情的なブルーカラーの父親、そしてインテリではあるが妻のことを顧みず不倫を繰り返す向こう見ずな作家。 作中では、キーパーソンである小学…

本当の不感症であるということ

不感症。一般的に定義されるものは性的接触に対して快感を覚えない人の性質を指すことだろう。 このブログでは度々自分が不感症であることを取り扱ってきたが、その意味は「滅多なことでは心を動かされない」というような心情のあり方であったように思う。 …

痛みをくれる人

id:punkrockes それでも人に会い続ければ突然激しい痛みを与える人物と出会いそして自分は不感症ではないと再認識しその痛みを掘り下げると今まで気にもしていなかった細い路地を見つける。知らんけど。 何て瑞々しい横顔なのだろうと思った。長い睫毛。控え…

不感症

昨日デートしてきた。とてもかわいい女の子だった。年は同じで、興味を持った国には一人で飛び立ってしまうような主体性の持ち主の子だった。正直言って、一緒にいるのが憚れるくらい魅力的な女の子だった。 彼女の優しそうな笑顔に、ある種の冷たさを感じた…

『ノルウェイの森』主人公による最高の ”口説き文句と台詞” を紹介する

『ノルウェイの森』は僕が最も好きな文学作品のうちの一つと言ってもいいくらい何度も読み直した。そもそもこの作品と出会ったのは僕が中学2年生の頃であり、僕の人生を変えた作品と言ってもいい。初めてこれを読んだときの衝撃は本当に大きなものだった。 …

君がいたあの夏の日に

僕に生まれて初めてできた恋人の話をしようと思う。 あれは僕が大学1年生で、鈴虫がまだ泣き始めない夏頃だった。彼女は二つ上で、サークルの先輩だった。大学生活の右も左もわからず、とにかく調子づくことが仕事でありながら人付き合いが苦手だった僕のど…

就活の不安・辛さの正体は「得体の知れなさ」だと思う

3月を迎え、企業による採用活動が解禁された。これによって、企業は説明会や本選考を大々的に行うことができるようになった。 私は今就職活動中の身であるが、正直に言うと、就職活動めちゃめちゃしんどいです。肉体的にとかスケジュール的にではなく、精神…

大学生のうちに観るべき「学生が主人公」おすすめ映画 5選

大学生活で結構な本数を観てきた私が、大学生のうちに観てほしい「学生が主人公」である映画を幾つか選んでみた。 いずれも私にとってとても大切な作品であり、特に自分が何者か見つめ続けなくてはならない大学生であるうちに、自分を見つめなおすという意味…

うちの猫の横顔が綺麗だから見てほしい

今週のお題「ねこ」 僕は猫大好きなんです。猫って自由で何物にも縛られないような飄々とした佇まいを呈しているけど実はすごく思慮深い生き物だと思っています。犬にはかなわないけれど。ちなみに犬も大好きで、いつか大きな犬を飼いたい。でも大きな犬死ん…

夢で出会ったあの人にもう一度会いたい

夢を見た。彼女は知らない女の子だった。けれど、それはずっと出会う事を予期していたような、待ち望んでいたような、そんな瞬間だった。人懐っこいような笑顔を浮かべながら、どこか遠くにいるような透明感をまとった彼女と、もしかしたら過去に夢の中で出…

冬のテラスで飲むホットワインが良い 吉祥寺にて

今年こそ、寒いうちにテラスでホットワインを飲んでおこう、という思いが胸にあった。春が来てしまう前に行こう、よし、明日こそ絶対に行こう、と決めた。低血圧だから、早起きをするために前日は気合を入れて寝た。早く起きすぎてしまった。 10時すぎごろ、…

いつもより、少しだけ丁寧に過ごすということ

今週のお題「ゲン担ぎ」 出版社の就職における筆記試験では、必ず作文が課されるそうなので、毎週このお題に答えて練習をしてみる。 『ゲン担ぎ』 重要なイベントがある前日は、なんとなく間が持たず浮足立ってしまうものである。 そんな時に「ゲンを担ぐ」…